野球肘とは、野球の投球動作により肘を痛めるスポーツ障害の総称です。
他のスポーツと比べて、野球の投球ほど、肩や肘など身体の同じ部分に同じ力がかかり続けるスポーツ動作はありません。
この負担に加えて、成長期の小中学生の関節付近には、大人の成熟した骨に比べて明らかに弱い成長軟骨があります。
そのため、小学生の野球選手における野球肘の発生率は、20%にも及びます。
自覚症状がない患者さんも多いため、最近では検診でエコー(超音波検査)を用いて野球肘の早期発見に取り組む地域が増えつつあります。
他のスポーツ障害以上に早めの受診が重要な疾患です。
日本臨床スポーツ医学会の「青少年の野球障害に対する提言」(1995年)において、試合を含めた投球数の目安が示されています。
小学生では、1日50球以内、週200球以内。
中学生では、1日70球以内、週350球以内。
高校生では、1日100球以内、週500球以内が望ましく、1日2試合の登板は禁止すべき、とされています。