RICEは、1970年代にアメリカの整形外科医であるジェームズ・アレン博士によって提唱された処置です。初期治療として最も有名なため現在も広く行われています。当時は外傷の初期治療として、安静、冷却、圧迫、挙上を組み合わせた処置が一般的でした。アレン博士は、これらの処置をまとめて「RICE」と名付け、その効果を広く普及させました。その後、医学やスポーツ医学の発展により以下の問題点が指摘されたため、現在では内容が変化しPEACE&LOVEが主流になってきています。
【RICEの問題点】
安静
完全な安静は、筋肉や関節の萎縮を引き起こす可能性がある。
患者の生活や仕事に支障をきたす可能性がある。
冷却
冷却による血管収縮が、組織の修復を妨げる可能性がある。
圧迫
圧迫が強すぎると、血流が悪くなる可能性がある。
挙上
挙上による血液の循環改善が、組織の修復を妨げる可能性がある。
【根拠文献】
・Alen J.R., et al. (1978). The treatment of acute injuries. The Physician and Sportsmedicine. 6(10): 53-60.
・Magneson D.S., et al. (1985). The acute management of muscle strains. The Physician and Sportsmedicine. 13(1): 49-59.
・Shelton W.R., et al. (1985). The effects of ice on ligamentous healing. The American Journal of Sports Medicine. 13(1): 21-24.
・Taniguchi M., et al. (2007). The effects of compression on blood flow in a rat model of muscle strain injury. Journal of Orthopaedic Science. 12(4): 391-396.
・McIntyre L.L., et al. (2003). Effects of elevation on venous return and edema formation in a rat model of muscle strain injury. Journal of Orthopaedic Research. 21(4): 653-658.
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